サスティナブルなおおいた
公益社団法人ツーリズムおおいた
サスティナブルなおおいた
おんせん県おおいたとして広く知られている大分県ですが、実はサスティナブルな取り組みも行っています。
大分県の自然環境を守るため行っている、『サスティナブルなおおいた』をご紹介します。
世界農業遺産とは
国際連合食糧農業機関(FAO)が2002年に 開始したプロジェクトで、次世代に受け継がれるべき伝統的な農業・農法とそれに関わって育まれた文化、景観、生物多様性などが一体となった世界的に重要な農業システムを認定し、その保全と持続的な活用を図るものです。
世界農業遺産認定サイトは全世界で67サイトあり(2022年7月) その内13サイトが日本であり、大分県の『クヌギ林とため池がつなぐ国東半島・宇佐の農林水産循環』もその1つです。
2013年5月、大分県国東半島宇佐地域(豊後高田市、杵築市、宇佐市、国東市、姫島村、日出町)が世界農業遺産に認定されました。
降水量が少なく、水の確保が困難だった国東半島宇佐地域では、安定的に農業用水を得るため小規模なため池を連携させ、効率的な土地・水利用を行ってきました。周辺にはため池の水をかん養するクヌギ林が随所に存在し、その景観を独特なものにしており、ため池群から供給される用水は水稲や七島イといった水田農業を支えています。
またこの地域では、クヌギ林を利用した原木しいたけの栽培が盛んに行われています。
クヌギは切株から15年程度で再生することから、この原木しいたけ栽培により森林の新陳代謝が促され里山の良好な環境と景観の保全につながっています。
原木栽培とは?
クヌギ等の原木を1メートルから1.2メートルほどに切り出し、しいたけ菌を植え付け、自然の中で無農薬栽培されます。約2年かけて植え付けられた菌は原木全体にはり巡り、しいたけが発生し、春と秋に収穫されます。 自然栽培の為、気候などの条件によってしいたけが発生するので菌床椎茸と比較すると、収穫量は安定的ではありません。収穫したしいたけのほとんどが、乾しいたけとして販売されています。
菌床栽培とは?
おがくずなどの栄養剤を混ぜ固めた20センチ四方のブロック(菌床)にしいたけ菌を植え付け、湿度が高く暗い室内にて、温度、湿度管理され、栽培されます。3~6か月のサイクルで安定した品質の椎茸が年間を通して収穫可能年中収穫ができるためスーパーなどで見かける生しいたけのほとんどが菌床の生しいたけです。
由布院とは大分県の中心に位置し、山と田園に囲まれた町です。
由布院のまちづくりの歴史は、1924年に林学者、造園家である本田静六博士が講演の中で「ドイツの温泉保養地を目指せ」と語ったことが始まりであります。
また1971年に地元旅館経営者の有志3名が、ドイツの保養地に視察に行き「クアオルト構想」というまちづくりプランを提言し、自然保護の重要を呼びかけや、住民の方が住みよい生活環境を整えた上で観光客も滞在を楽しむことができるドイツ流の温泉保養地を目指しました。彼らが観光協会、旅館組合、町議会、行政に働きかけたことで今の由布院の姿があります。
由布院では現在も観光客と住民が楽しめる映画祭や音楽祭のイベントを行い、持続可能なまちづくりを目指しています。
国東半島に点在する数多くの六郷満山の寺は、養老2年(718年)に仁聞菩薩が開基したと伝えられています。仁聞菩薩は、宇佐八幡神の化身(生まれ変わり)として宇佐・国東の地に、今をさかのぼること約1300年前に神仏習合の原点となる山岳宗教「六郷満山」を開かれました。
六郷満山とは、国東半島の6つの郷(来縄・田染・伊美・国東・武蔵・安岐)の谷々で発展した寺院群で、活動の目的から3つのカテゴリー(本山→学問、中山→修行、末山→布教)に分かれていました。
国東半島は宇佐神宮・弥勒寺に伝わった天台宗の実践の場として、九州ではいち早く仏教が栄えた地域であり、宇佐・八幡神の影響を強く受けながら、厳しい地形での修行を好む山岳宗教との融合を経て、独特の六郷満山文化を花開かせました。
そのため、六郷満山では神仏習合の文化が色濃く、神社と寺院とが一体となって存在していたり、神社の規模が寺院と同等であったりします。また、寺院によっては後背の耶馬(岩峰)の中に多くの修行の場(岩屋・無明橋など)が設けられています。